朝起きて列車の窓から外を眺めると荒涼とした平野が広がっていた。アナトリア平原を順調に東へ向かっているようだ。ほぼ定刻通りにアンカラ駅へ到着。ここから迷いに迷ったが、何とかバスターミナルにたどり着いた。ネヴシェヒール経由のバスでカッパドキア地方のギョレメ村へ向かうつもりだった。
ネヴシェヒールに着いた時、外から兄ちゃんが乗ってきて「ギョレメへ行くなら乗り換えだ」と言う。ついていくと、おもむろに旅行会社に入ってツアーの勧誘が始まった。騙された…。バスはすでにギョレメへ向けて出発している。ふざけるなと喧嘩。チャイや果物で機嫌をとってきたが、ツアーに入る訳はなく、ギョレメまで車で行ってもらった。"歩き方"に載っているホテルの前まで行ってくれたが、不愉快だった。そう悪くない人だったのかもしれないけど。
ホテルにチェックイン後、ギョレメ屋外博物館(写真)、トカル・キリセを見に行った。迫害されたキリスト教徒が岩を掘って作った住居や教会がある。カッパドキア特有の景色だ。泊まったアタマンホテルというのも奇岩を利用した高級ホテル。80ドルは痛かったが面白そうなので泊まる事にした。ただ、こういうホテルに一人旅の旅行者が泊まっている訳はなく、レストランでの食事はどれだけ美味しくても、居心地はあまりよくない。部屋は快適。
今日は世界遺産カッパドキアを効率よく周るべく、現地ツアーに参加。昨日の事もあり、バス停から少し離れた所で申し込んだのだが、素晴らしいツアーだった。私が選んだのはカイマクルの地下都市観光、ウフララ渓谷トレッキングからなるツアー。カイマクルは本当に「地下」の「都市」だった。2万人もの人間が住んでいたらしい。ワインを造る所、食料貯蔵庫、石で作った丸いドア(写真)、壁に穴を空けて隣の人と会話するテレホンシステム等、ガイドさんが分かりやすく説明してくれた。ウフララ渓谷ものどかでとてもいい所。ロバに乗ったトルコの子供にも出会った。
日本人、韓国人、オーストラリア人、イギリス人とメンバーの国籍は多彩で、皆コミュニケーションがうまく、素晴らしい時間を過ごせた。俺もまだまだだなあと思う。ツアー終了後仲良くなった日本人(写真)と一緒にビールで乾杯。こういうビールは最高だ。明日のパムッカレ行きの夜行バスを予約し、ホテルに帰った。最高に充実した一日。
カッパドキア観光最終日。昨日と違い、自力で観光する事にした。観光案内所で情報を集めた後、ユルギュップへ。大して何もなかったので、すぐに引き返して乗合タクシー「ドルムシュ」でウチヒサール(写真)へ行った。ちょっとした岩山だが、頂上からの眺めはまさに絶景。カッパドキアの奇岩風景が一望できる。ギョレメへはカッパドキアの風景(写真)を楽しみながら歩いて帰った。昼食には有名なカッパドキアワインを飲んだ。
夕方バス停へ行くとウチヒサールで会った日本人と再会。アンタルヤへ向かうらしい。昨日のツアーに参加していた女性とも再会した。缶ビールを飲みながら話をしていると、帰りの飛行機が同じ便だったので、空港で待ちあわせる事にした。ここから石灰棚で有名なパムッカレへ向かう。素晴らしい景色と出会いに感謝しながらギョレメを後にした。