白神山地は、青森県南西部から秋田県北西部にまたがる広大な山岳地帯の総称です。人の影響をほとんど受けていない原生的なブナ天然林が東アジア最大規模で分布していることが評価され、1993年、屋久島とともに日本で最初の世界自然遺産に登録されました。ブナ林に足を踏み入れて緑に囲まれた中を散策したり、険しい岩壁を流れる滝を見に行ったり、峠から広大な山並みを遠望したり…、手付かずの大自然を楽しみましょう。

写真

オススメ

いくつか散策コース/登山コースがあるので、好みと体力で選ばれるといいでしょう。私が訪れた場所を中心に白神山地をご紹介します。

世界遺産の径ブナ林散策道、暗門の滝
世界自然遺産登録地域内に設置された散策道で、白神山地のブナ原生林を比較的手軽に楽しむことができます。私が訪れたのは夏。ブナ林に足を踏み入れた瞬間に緑に囲まれ、実に気持ちのいい散策を楽しめました。
又、渓谷沿いをさらに上流へ進むと暗門の滝があり、上流から第1の滝、第2の滝、第3の滝と呼ばれています。私が訪れた時は「暗門の滝歩道」として整備されていて、少し体力があれば、渓谷、岩壁を流れ落ちる滝、周囲のブナ林等、白神山地のまた違った姿を手軽に楽しめる散策コースだったのですが、2016年以降、歩道としての整備・管理は行われないことになったようです。ただし、閉鎖された訳ではなく、「暗門渓谷ルート」と名が変わって難易度の高いコースとなり、ガイド同行での入山が推奨されています。
「世界遺産の径ブナ林散策道」、「暗門渓谷ルート」共にアクアグリーンビレッジANMONが拠点となります。
暗門の滝歩道

マザーツリー、津軽峠
推定樹齢400年のブナの巨木で、まさに「白神の母」と言えるでしょう。県道28号(通称白神ライン)の途中にある津軽峠に車を停め、森の中を3分程歩くと現れます。比較的アプローチしやすいですし、津軽峠からは世界自然遺産地域に登録された山並みを一望することもできます。
マザーツリー2

青池(十二湖)
白神山地の日本海側の麓、津軽西海岸沿いに十二湖と呼ばれる湖沼群があります。ブナ林に囲まれたエリアに大小様々な湖沼が静かに佇んでいて、散策が楽しいです。地震による山崩れによってできたと言われており、崩山から眺めると12の湖沼が見えた(実際には33あります)ことから十二湖と名付けられたとか。中でも青池は、青いインクを流したかのような青く輝く神秘の湖。オススメです。
青池

黄金崎不老ふ死温泉
津軽西海岸沿いの日本海に面した温泉宿で、波打ち際に海岸と一体化したかのような露天風呂があります。宿泊だけでなく、日帰り入浴向けの営業時間も設定されていますが、宿泊すれば温泉に入りながら夕日に照らされて黄金色に染まった日本海の絶景を楽しめるとか。宿泊する余裕のない方でも、周辺の海岸線は景色がとてもきれいでドライブに最適ですし、海沿いを走る五能線という列車に乗るのもいいでしょう。
不老ふ死温泉

アクセス

飛行機を利用する場合は青森空港、新幹線を利用する場合は新青森駅を目指すことになります。弘前駅まで行けばアクアグリーンビレッジANMONや津軽峠へ行くバスもあるようですが、見どころを周るには空港や駅でレンタカーを借りるのが便利でしょう。
ただし、津軽峠から十二湖エリア方面へ向かう際には注意が必要です。地図上は県道28号(通称白神ライン)が近道に見えますが、津軽峠から先はひどい悪路でした。迂回を強くオススメします(時間的にもそう変わりません)。又、青森/新青森から弘前を経由して日本海岸沿いを十二湖方面へ向かう五能線に乗るというのも一案です。私自身未体験ですが、日本海を見ながらゆっくり旅するというのは楽しそうです。

旅のルート

私が訪問したのは2010年。東京から自家用車でアクセスしましたが、東北新幹線を利用するのが楽でしょう。新青森駅でレンタカーを借り、弘前に宿泊するとして、下にルート例をまとめてみました。
青森には他にも奥入瀬渓流、十和田湖、恐山など魅力的な観光地があるので、時間に余裕のある方はそちらも組み合わせるといいと思います。

 日 移動 観光 宿泊
1 東京→新青森(JR新幹線)
新青森→弘前(車)
弘前
2 白神山地周遊(車) 世界遺産の径ブナ林散策道
暗門の滝
マザーツリー
津軽峠
弘前
3 津軽西海岸周遊(車) 青池(十二湖)
黄金崎不老ふ死温泉
弘前
4 弘前→新青森(車)
新青森→東京(JR新幹線)