成田からモスクワまでのアエロフロートは思いの他、快適。機体はエアバスだったし、食事もおいしかった。これで日本語バージョンの映画さえあれば…。
ただモスクワに着いてからがいただけない。トランジットホテルへのシャトルバスが来るまで2時間待たされたあげく、バスが来てからようやくパスポートチェック。待ってる間にやろうよ…。一緒にバスを待っていたご夫婦も苦笑いしていた。ホテルはきれいだが、ビザを持っていないトランジット客は2Fのフロアから出る事も許されない。これじゃ軟禁だ。部屋の窓が吹きぬけに面していて、雰囲気のよいレストランで食事をする人々が見えるのに。フロアにあるトランジットバーで食事をしたが、電子レンジで温めただけの料理はあまりおいしくない。部屋へ戻ると、する事もないので寝てしまった。
モスクワ→ダマスカスの飛行機は旧ソビエト製のネンキの入ったツポレフという機体。すきま風が入っているのか高度が上がるにつれて涼しくなってくる(本当です)という珍しい機体だ。ちょっと怖かったが、無事ダマスカスへ到着。きれいな空港で、トランジットホテルで一緒だった日本人に再会した。中東の勉強をしていたというおじさんで、アラビア語の入国カードの記入を手伝ってもらった。
タクシーの客引もいたが、バスで街の中心部へ。わずか10ポンド(25円)。宿を見つけた後、すぐに夕食に繰り出した。ラムとチキンのカバブ、サラダ、ビールの充実した食事。チキンはうまいし、ビールは飲めるし、幸せ一杯。チャイを飲んでくつろいでいたら、日本人カップルが入ってきた。店の人が私をネタに呼び込みをしたようだ。話を聞くと、会社を辞めて、オーストラリアからイースター島などの島々を渡り、南米、北米、ヨーロッパとすでに4ヶ月旅をしているとの事。新しい職も決まっていて、9月には日本に帰るらしい。羨ましい。もう1組の日本人旅行者も交え、しばらく話し込んだ。
宿の朝食をとった後、Tourist Informationで地図をもらったり、リコンファームを済ませたりした後、旧市街へ。ここダマスカスは中東でも最古の都市の1つであり、古代都市ダマスカスとして世界遺産に指定されている。。世界最古のモスクと言われるウマイヤド・モスク(写真)は、今まで見たモスクの中で最もシンプルだった。トルコやイランのモスクに比べて美しいといった印象は受けなかったが、今でも信仰の地として生きているモスクである。中でしばらく休憩していた。
モスクの東側に広がる旧市街(写真)も楽しい。カバブ屋のオヤジ、パンを焼くところを見せてくれた上に焼きたてのパンをくれたオヤジ、アゼム宮殿というところでチャイをごちそうしてくれたオヤジ、皆素朴な中東のオヤジだった。
新市街では、ハンドクラフトセンターのお店をのぞいた後、国立博物館を見学。メソポタミアの出土品等が展示してあったと思うが、英語の案内がないため、よく分からなかった。
旧市街に戻り、昨日と同じ店で夕食をとってから、ライトアップされたウマイヤド・モスク(写真)を見に行くと、シリア人がたくさん遊びに、そして祈りに来ていた。話しかけてきたシリア人にアラビア語で名前を書いてもらった。昼間に買ったブドウを宿で食べたが、やっぱ中東の果物はおいしい。