(マダガスカルから)バンコク空港着は夜中1時。成田へのフライトは次の日の早朝なので、1日タイで遊ぶつもりだ。空港でインターネットを見た後、横になれる場所を見つけてしばし就寝。途中何度か目覚めながら8時頃行動を開始したが、体がとっても痛い。イミグレーションで少し怪しまれつつ無事入国。荷物を預け、電車でアユタヤへ向かった。東南アジア特有の暑さと湿気で汗が吹き出てくるが、決して嫌な気分ではない。窓から入ってくる風が気持ちいいくらいだ。
1時間程でアユタヤに到着。すぐにオバちゃんに声をかけられた。トゥクトゥクの誘いだ。自転車で周るつもりだったが、郊外の遺跡含め、ゆっくり見るのに付き合ってくれて1日500バーツ、という条件で赤いトゥクトゥクをチャーターした。このオバちゃんの家族と共にアユタヤを1日観光することとなる。
400年以上にわたりアユタヤ王国の中心として栄えた町はとても面白かった。さすが世界遺産。寺院それぞれに独自の文化が感じられる。ビルマに勝利した記念にはビルマ風の、カンボジアに勝利した記念にはカンボジア風の寺院を建てたらしい。両方とも本物を見たことがあるだけに雰囲気がよ〜く伝わってくるのだ。中には今も信仰の地として"生きている"寺院もあり、タイの方々が熱心にお祈りしていた。
特に印象に残った寺院はワット・プラ・マハタート。アユタヤーは最終的にビルマによって陥落する。その際、この寺院もビルマ軍によって徹底的に破壊され、仏像の頭がほぼ全て切り取られているのだが、切り取られた頭の1つがおそらく長い年月をかけて木に埋まり、こちらを見ている(写真)のだ。怖いくらいで、思わず立ち止まってしまった。戦争?政治?宗教?歴史?言葉では説明できない…。
数多くの寺院に加え、日本人町跡(アユタヤーは国際都市だったのだ)や象も見ることができた。オバちゃん達は私のペースに合わせてくれたし、適度な距離感で接してくれたし、おかげでこの町を満喫だ。少し余分にお金を渡した。
ワット・ロカヤスタ寝釈迦像(写真)の前では日本人旅行者Uさんに出会った。軽く挨拶した後、しばらく互いの旅の話をしたのだが、タイ、ベトナム、カンボジアを1ヶ月間、出会いにあふれ、充実した旅をされているのが伝わってくる。日本語で話せたのがうれしく、アドレス交換をして別れた。ところが、トゥクトゥクツアーが終わり、食事をし、駅で列車を待っていると、偶然再会。列車の中でもずっと旅の話をしていた。写真も見せてもらったが、初めての一人旅とは思えないくらい楽しんでおられるよう。何だか気持ちのいい方で、お会いできてよかった!!! バンコクのフォアランポーン駅で一緒に写真を撮り、別れた(帰国後写真も頂きました)。
残った時間はバンコク散策。フォアランポーン駅で地下鉄を見つけてビックリ。しかも非接触通信のカードやコインで改札する最新式(JR東日本のSuicaみたいなやつです)。バンコクも便利になったものだ…。Jim Thompsonの店でシルクのおみやげを買い、夕食(写真)へ。さらに、スイカ、マンゴスチン、マンゴーと果物を満喫。うんまい!タイ人のおおらかさに触れ、何とも居心地の良い時間だった。空港への列車が遅れたのはご愛嬌。出発が1時間以上遅れた上、なぜか時々止まるもんで、空港に着いた(警備員のような方が教えてくれた)のは1時を過ぎていた。トランジットとは思えない充実した1日。空港でビールを飲むと疲れがどっと出て、早朝のフライトまでひたすら寝ることになったのでした。