ボロブドゥール(写真)に到着。雨はあがったようだ。カンボジアのアンコールワット、ミャンマーのバガンと共に世界三大仏教遺跡とも言われ、世界遺産にも登録されている。これまでアジア各国を旅し、各地で仏教文化を見てきたこともあって、インド洋を越えたここジャワ島の仏教遺跡ボロブドゥールにはずっと来たかったのだ。
遺跡は3層構造になっている。外周の基壇、回廊が造られた方壇、最上部の円壇で、それぞれ仏教の三界(欲界、色界、無色界)を表しているという。1つずつ紹介していきたい。
最も下の基壇の隅に、隠れた基壇(写真)がある。ここには酒を飲んで博打をしている男性や、ゴシップ好きの女性を描いたレリーフがあり、煩悩で生きる欲界が表現されている。
基壇から階段を上がると方壇(写真)だ。悟りを求める色界を表現した場所で、4層に渡って回廊が整備され、仏教にまつわる物語がレリーフとなって時計回りに延々と続く。
物語は天界にいるブッダから始まり、摩耶夫人が見たという白い象が自らの腹に入る夢(写真)、シッダールタ(ブッダ)誕生…。これだけでも圧巻だ。
さらに階段を上がり、カーラ(鬼面の守り神)の口の中をくぐると、円壇(写真)へ。一瞬で雰囲気が変わる。同じ遺跡だと思えないくらいに。ここは物質世界から解脱した無色界なのだ。頂上の大ストゥーパを囲む形で、釣鐘の形をした小ストゥーパが規則正しく並んでいた。
ストゥーパの中には仏像がおさめられている。そのうちの1つは幸福の仏像(写真)と呼ばれ、格子の隙間から手をのばし、仏像の右手薬指に触れると願い事がかなうという。
ふと気付くと、足が悪いので下で休憩しているはずの母親が手をつっこんでいた。コスマスさんに助けてもらってここまで来たらしい。
ボロブドゥールには謎が多く、何であったのかさえ解明されていないが、この偉大な遺跡の空気を吸えたことに感謝したい。
夜はラーマヤナ舞踊(写真)へ。ここでコスマスさんとはお別れ。細かく気遣ってくれる上、適度な距離を保ってくれる、いい人だった。ありがとうございました!
今日1日でジャワ島の文化を満喫だ。明日は自らの足でジョグジャカルタをのんびり歩いてみたい。