ゆっくり寝たせいか、体調は大分良くなっていた。モカへは乗合タクシーでも行けたと思うが、宿の人に助けてもらって往復YR5,000(3,000円くらい)でタクシーをチャーター。ドライバーはよくしゃべる人だったが、快適なドライブを楽しむことができた。
モカはその名から想像される通り、かつては世界最大のコーヒー貿易港だった町だが、現在はさびれた漁村といった雰囲気。ここを訪れた目的はただ1つ、海が見たいなと思ったからだ。タクシーの窓から海が見えた時、何だか気分が高揚してきた。ゴミが多かったのは残念だが、エメラルドグリーンの紅海(写真)は美しい。海に入ったり、話しかけてきたイエメン人の相手をしたり。ドライバーは家族への土産に魚を買って帰ろうと市場の方へ走って行ったが、しばらくして戻ってきた彼の手に魚はなかった。「タイズと同じ値段だった」らしい。
タイズまで戻り、お世話になったドライバーともお別れ。シナモン味の冷たい飲み物をおごってくれたり、サナア行き乗合タクシー乗り場まで送ってくれたり、最後の最後まで親切な人で、余分にYR200受け取ってもらった。
サナア到着は夜。約5時間、排気ガスを防ごうとずっとタオルを口に当てていた。これさえなければなあ。夜9時、日本人旅行者Yさんと合流してシャハラへのツアーの申込みを済ませ、すぐ眠りについた。