列車とタクシーを乗り継ぎ、カサブランカの宿に落ち着いた。念願のバスタブのある部屋で、夜は思う存分くつろぐことになる。大分疲れてきていたが、ハッサン2世モスクを見に行った。海の側に建つ大きなモスクで、写真に収めるのに苦労するくらい。外見も内装もとても美しいが、床の大理石が温かかったり、柱にスピーカーが埋め込まれていたり、さらには屋根が開閉式だったりと、エレクトロニクスが駆使されていたのには驚いた。
それにしても、マラケシュの宿のおじいさんは握手と笑顔で温かく送り出してくれたし、列車の中でオジさんがカップケーキをくれたし、モスクへ行く時のバスは私のために停留所でもない所で停まってくれたし、夕食時のレストランではお兄さんがお茶をご馳走してくれたし、親切にされてばかりだ。
モロッコはどちらかというと旅のしにくい国というイメージを持っていた。しかし、旅をした後の印象は全く違うものだ。モロッコ政府が観光産業に力を入れているせいだと言う人もいた。運もあるとは思う。が、それだけでここまで快適に旅はできなかっただろう。モロッコはホスピタリティあふれる国だと思う。この旅で出会った全ての人に感謝したい。