黄龍 flag

2001/9/10(月) 九寨溝→黄龍

 朝、いきなりバスが故障。皆の飲み水を冷却水に使い、何とか動き出した。近くのチベット寺院へ行ったのだが、これはイマイチ。中にきれいな仏様がいるにはいるのだが、チベット寺院なのに反時計回りで参拝。おいおい。みやげ物屋に連れて行かれた辺りから、すっかり醒めてしまい、人の大きさ程もある珍しいお線香を眺めて過ごしていた。ツアーの皆は小さな仏像を買い、熱心に参拝していた。趙さんから聞いたのだが、チベットに憧れにも似た感情を持っている中国人は多いらしい。この旅の初めに訪れたと伝えると、羨ましがられた。
 チベット人2人を乗せて出発。好意で途中まで乗せてあげたようだ。このチベット人が歌好きで、バスの中でカラオケ大会が始まった。予感はしていたんだが…。すぐに私の所へマイクが回ってきた。そう来ると思ったよ!!! 悩んだ末「上を向いて歩こう」を1フレーズ歌っておいた。もちろん温かい拍手を頂きました。

ツアーの仲間と
黄龍

 おみやげを買い、昼食をとり、山を越え、昼過ぎにやっとの事で黄龍(写真)へ到着。こちらも世界遺産に登録されている。張さんや陳さん夫婦らと一緒に美しい景色を満喫。トルコのパムッカレにある石灰棚を小ぶりにしたものがいくつもあり、石灰の部分が少し黄色がかっている。黄龍とはうまい名前をつけたもんだ。上から見ると黄色いウロコがたくさん見えるに違いない。初めて皆で写真も撮った(写真)。劉さんの勧めもあって朝ジャケットを買っておいたのだが(実際昨日は寒かった)、晴れていたせいか温かい1日だった。

 帰り道、またまた故障発生。通りすがりのバスに水を分けてもらい、何とかレストランまで。最後の夕食だからと、1人の中国人が食卓に酒をプレゼントしてくれた。当然のように私からつがれる。皆の好意に甘えてばかりだ。瞬く間に楽しい時間は過ぎていく。
 今夜の宿までは少し距離があるらしい。バスを修理するために途中ガソリンスタンドへ寄った。付近には何もない所だったが、ふと窓から上を見上げると、満点の星空。急いでバスを降りる。こんな星空久しぶりに見た気がする。横ではムードメーカー役の陳さんが皆にヨガを教えていたが、私は1人夜空に感動していた。修理後は快適なドライブ。夜の闇を見ながらずっと思っていた。この旅に来て本当によかった、と。A.M.1:30 宿に到着。

2001/9/11(火) 黄龍→成都

 6時に起きたが、皆がなかなか起きてこない。張さんと2人しばらく話をした後(なぜか経済の話だった)、2人で散歩に出かける事にした。同じく散歩していた趙さん母娘と朝の挨拶を交わし、露店で緑の石のペンダントと牛の角でできたクシをこのツアーの思い出に買った。張さんがいたからか、両方とも値切り交渉もなく8元(約120円)と格安。
 宿に戻ると皆起きていて、名刺交換なぞしていた。陳さんが声をかけてくれたのをキッカケに、私もお世話になった方々とアドレスを交換した。北京に住んでる趙さんは「何か北京で困った事があったら携帯に電話して!」と言ってくれた。

 朝食後、バスは途中漢方薬のお店に寄って、一路成都を目指す。皆との別れが近い。旅の出会いと別れにはある程度慣れたつもりでいたのだが、どうも感傷的になってしまった。といって皆で写真を撮るという雰囲気でもないし。思い出にバスの中の写真を1枚撮らせてもらった。アドレス交換もしたし、これですっきり別れられそうだ。
 まず寝食を共にしてきた張さんが途中で降りた。"Nice to see you."と挨拶しにきてくれた。その後、最後の食事。皆いつもより会話が少ない。それぞれ感傷的になっているのだろう。食後、あちこちでアドレス交換が始まっていた。成都に入り、いよいよ私が降りる番。劉さんがタクシーの運転手に見せるといいと「交通飯店」と書いたメモをくれた。どこを走ってるか分かっていた私は"I know ChengDu(成都)." なぜか笑われた。皆、元気で!



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