ヨルダン東部は一面砂漠が広がる。イラクやサウジアラビアと国境を接し、ウマイヤ朝時代の7〜8世紀に建てられた宮殿や浴場が残っており、デザート・キャッスルと呼ばれる。実際、砂漠に敷かれたまっすぐな道を走っていると、IraqやSaudiといった案内が出てきて、改めて遠い異国に来たんだなあと感じてしまった。旅の計画を練っていた時は、スケジュール的にジェラシュかデザートキャッスル、どちらかには行きたいと漠然と考えていたが、このドライバーとの出会いで両方見ることができた。
最初に出てきたのはハラナ城(写真)。四角い形をしていて、隊商宿だったらしい。入口を入ると、両脇に馬小屋があり、そのまま進むと中庭のように内部は開けている。中庭を囲む建物には部屋がいくつかあり、ゆっくり見て回った。
次に出てきたのがアムラ城(写真)。世界遺産にも登録されているのだが、ここは特に面白かった。すぐそばに井戸が掘られており、ここで水を汲み上げてメインの建物に作られた風呂に貯め、火を起こして風呂やサウナを楽しんでいた跡がしっかりと残っている。
建物の中に入ると、数多くのフレスコ画。入口を入って正面にはカリフ(イスラム王朝の太守)、そしてカリフのライバルであった歴代の統治者(写真)が、天井にはアムラ城を建築シーンが、サウナには裸婦や星座図が描かれていた。建物内に現地の方がいて、フレスコ画を説明してくれたり、観光客が入れない場所に代わりに入って写真を撮ってくれたり。
車を停めた場所に戻ると、これまた現地の方にベドウィンテントに招かれてお茶をごちそうになる。楽器(写真)を弾いて楽しませてくれた。歴史に、そして現地の方のホスピタリティに触れ、心地よい時間が過ぎて行った。
車はようやく国境の町アズラックへ到着。まずは腹ごしらえだ。カバブ、ホンモス(豆のペースト)、サラダ、ヨーグルト、パンの豪華な昼食(写真)。ここでドライバーが両替交渉もしてくれた。キャッシュがなくなっていた我々は一安心。
レストランから町を眺めていると、サウジアラビア方面からのトラック量がすごく多い。町にはサウジの方も歩いているようだ。何でも、夏はサウジからヨルダンに「避暑」にくるそうだ。ここ、十分暑いんですけど…。う〜ん、実感が湧かない。
食後、アズラック城(写真)を見て、行きとは違う道を通ってアンマンまで。ホテルに着き、長い時間を一緒に過ごしたドライバーともお別れ。キャッシュが余りないので、少しだけ大目に支払った。ありがとう、お元気で。さらばじゃ!(このドライバーがなぜか知っていた日本語)
ホテルの部屋でシャワーを浴び、くつろぎながら日記を書いていると、この旅の思い出が蘇ってくる。久しぶりの中東だったが、ムスリムの方のお世話になりっぱなしだった気がする。何度"Welcom to Jordan!"と声をかけられたことか。改めて感謝したい。ありがとうございました。また来ますので、その時はよろしくお願いします!